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コノイドチェアー   

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(うちのお店のがちゃがちゃとした中にいても....)

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この椅子の名前はコノイドチェアーといいます。香川県の牟礼という場所にある
「桜製作所」さんという会社で製作されたものです。写真では角ばった、精度の高い椅子
というイメージがありますが、実は違います、作者の意図する所だと思いますが、
触ると、細部まで丁寧に手作業で作られたものだということがよくわかります。
背の格子の部分は実は、つるつるしたものでなく、小刀のようなもので削って形づくられて
います、製品というよりは座れる彫刻の感覚に近いものです。



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(わかるかな?)

実はアメリカの大富豪ロックフェラー邸の設計を吉村順三が担当、
220点以上の家具をナカシマが製作した事が有名ですが(こちらの伊万里焼きを使った
テーブルセッティングも素晴らしい)

日系のアメリカ人である。なぜ日本の会社がその作品の製作をしているかというと、その
歴史も面白い、

ジョージ・ナカシマは1964年、彫刻家・流政之先生の薦めで来日し、高松を訪れました。地元讃岐の木工・漆・石などの職人達を中心とする運動「讃岐民具連」を知り、おおいに共鳴、自らその一員となったわけです。しかし、当初は流さんのアトリエを見学するだけのつもりで香川に来たそうです。アトリエにあった民具連のあんどんを見て興味をしめし、建具屋さんの小西さんと意気投合。「讃岐民具連」に積極的に参画、自身のデザインした家具製造先として、桜製作所との付き合いが始まりました。※詳しくは「木の仕事」(住まいの図書館出版局 住まい学大系085 ¥2,400)をお読みください。

彼はワシントン州のシアトルで育ち、ワシントン大学で森林学を二年間学んだ後、建築学を二年間学び、ハーバード大学大学院でデザインの勉強をするために奨学金を得ましたが、バウハウスを嫌い、マサチューセッツ工科大学へ転校、建築学修士号を取得しました。

卒業後は、世界一周の旅(アメリカが大恐慌の時代)に出て、パリなどを訪れました。その途中の戦前の日本で、父の友人の紹介でチェコ人の建築家アントニン・レイモンドの設計事務所に席をおき、建築設計の仕事をしていました。日本建築士の草分け時代の事で、当時の同僚には前川國男や吉村順三などが、後輩には丹下健三もいたようです。その後インドなどを歴訪し、「木匠」としての精神的な基礎部分を形成する、貴重な体験を数多くしたようです。アメリカに戻ると、第二次世界大戦のため日系人として収容所に収監され苦労しましたが、そこで知り合った家具職人に家具の作り方を教わったようです。

戦後、米国に帰国したレイモンドを頼ってニューホープに移り住み、家具製作を始めました。アメリカでは1952年建築学会のゴールドメダルを受けるなど、早くから認められた作品はスミソニアン博物館、シカゴ美術館などにあり、1986年にはメトロポリタン美術館ジャパンギャリーの一室の家具をすべてひとりで製作しました。日本でも東京国立近代美術館、東京都現代美術館などに作品が置かれており、文字通り世界的に知られた木工家具作家で、木工家としてパイオニア的な存在の一人です。   (桜製作所さんのHPより抜粋)

木の座面は硬そうであるが、実は全然硬さを感じずお尻が逃げたりしない。
日本での使用を考えると座面の高さが44cmあるので、靴を履いた場所での使用を
おすすめしたい、最近はブーツを履く方が多いので、玄関あたりにいかがでしょうか?

CN101 CONOID CHAIR
コノイドチェア
W535 D570 H900 SH440
7.4kg
¥199,500
座板一枚板仕様 ¥315,000

by docraftmakes | 2007-05-28 20:28 | 家具

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